冷やおろし
2009年09月04日
その年の新酒の出来上がりを知らせる蔵元の軒先の提げられる酒林。
飾られた時は杉の緑が鮮やかですが、
茶色に枯れて新酒が飲み頃を迎えたことを知らせます。
春先にしぼられた新酒は、一度、火入れされたあと貯蔵されます。
暑い夏の間をひんやりとした蔵で眠ってすごし、熟成を深め、
やがて秋風が吹き始めたら、いよいよ目覚めのとき。
ほどよく熟成されたお酒は、2度目の火入れをせずに出荷されます。
その昔、2度目の加熱殺菌をせず「冷や」のまま、
貯蔵用の大桶から木樽に「卸(おろ)して」出荷したことから、
このお酒は「冷卸(ひやおろし)」と呼ばれ、
秋の酒として珍重されてきました。
ときは移って現在、貯蔵の形こそ、タンクや瓶に変わりましたが、
春先に一度だけ加熱殺菌し、秋まで熟成させて、
出荷前の2度目の火入れをせずに出荷する〈ひやおろし〉の本質は昔と変わりません。
日本名門酒会のサイトより
ひと夏蔵で熟成し旨味が増すことにより
またの名を「秋あがり」とも云います。
秋の味覚と到来と共に
日本酒の美味しい季節がやって来ました。
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